構造解析における代表的な計算法に変位法があります。これは、骨組モデルを用いたFRAME解析や有限要素法解析で用いられている基本的な解析手法です。ここでは、変位法について簡単に記述します。
変位法では、以下に示す3つの方程式を用いて解析を行います。
- つりあい条件式: 内力(部材力)と外力(荷重)の関係
- 適合条件式 : 節点変位と部材変形の関係
- 部材力式 : 部材力と部材変形の関係
この3式から荷重と節点変位の関係式として剛性方程式が得られます。そして、これを解くことで未知量の変位が求まり、その後順次、上式を用いて部材力、支点反力が計算されます。
この解析で、上記の基本3式にどのような関係式を用いるかによって、線形問題か非線形問題かに分かれます。具体的には下表のとおりです。
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幾何学的非線形 |
材料非線形 |
微小変位理論 |
有限変形 |
大変形 |
つりあい条件式 |
非線形 |
非線形 |
線形 |
線形 |
適合条件式 |
線形 |
非線形 |
線形 |
線形 |
部材力式 |
線形 |
線形 |
非線形 |
線形 |
ここで、「つりあい条件式が非線形」とは、変形後の節点位置においてつりあい条件を考慮することを意味しています。
表の右端にある「微小変位理論」が従来からFRAME解析として用いられている変位法の根幹部分であり、弊社製品の「FRAME2D(Project2x)」は、この部分をプログラム化したものです。
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